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新庁舎整備 現地建替え基本計画策定へ

6月議会に「新庁舎整備基本計画(現地建て替え)策定業務委託料」として、約2億4千万円の補正予算が計上されました。老朽化が著しい現庁舎を早く何とかしたい共通認識はあるものの、予算審議における賛否は割れました。我が会派・松戸志政会は賛成したものの、会派として答えを出すまでに相当の葛藤がありました。

 

当初、松戸市から今回の新庁舎建設に伴う基本計画策定予算の説明を受けた時、示されたかなり幅の広い選択肢の中から1つの案に絞り込まれた後、議会の承認を得る機会がないことで、二元代表制の一翼を担う議会が、「議決」によりその意志を明確に示すことなく、数百億円、ややもすると一千億円近い大型事業に対して、その重たい決断に責任を共有できるのか?といった疑義が生じました。

 

会派内で情報共有、意見集約を図り、会派・松戸志政会として考え方を一つにまとめる会議を重ねてまりました。以下、新庁舎整備基本計画策定業務委託予算に賛成するに至った松戸志政会の考えを述べた本会議での討論です。討論者は深山能一先輩にお願いいたしました。


本討論は今後の新庁舎整備の方向性に対し、会派として懸念と要望を申し上げた上での、忸怩たる思いを伴う賛成であることを申し述べさせていただきたいと存じます。

 

賛成に至った理由は、ただ一点。現庁舎の老朽化は待ったなしの課題であり、新庁舎建設への着手を一日でも早く進めることが、市民の安全・安心に直結するからです。

 

本会議・委員会を通じた審議においても、耐震改修ではなく建て替えが必要であるという判断は揺るぎないものでした。

  

その基本的認識は会派内での度重なる議論の中で共有しています。基本計画策定の歩みを止めることは、市民への責任を果たさないことに他ならない、と判断し、本議案に賛成するものです。

 

しかしながら、せん越ではありますが、申し上げなければならないことがあります。

 

新庁舎の建て替えについては、まず、安全第一を鑑み、仮庁舎への移転が議決され、その後、建て替え場所は現市役所敷地とする事としたい旨の報告がされました。

 

そして今回、新庁舎整備基本計画(現地建て替え)策定業務委託の予算議案が上程されました。

 

令和5年に策定された「市役所機能再編整備基本構想」は、市の上位計画として、複数の候補案を比較・検討した結果、「新拠点ゾーンへの移転建て替えが得策」と明確に結論づけたものです。

 

まちづくりとの連動、市民利便性、将来的な都市機能の集約、これらを総合的に判断した、本市の公式方針でありました。

 

今回示された補正予算は、建て替え場所は現市役所敷地とする事にしたい旨の報告はされましたが、その基本構想を正式に改定することなく、「現地建て替え」を前提とした基本計画の策定を進めるものです。上位計画である基本構想の方針と、今回の基本計画の前提が、矛盾しているのではないのか?と言う点に疑問が生じました。

 

本来、建て替え場所が変わっただけで、全体で80%の新庁舎の役割や位置づけは変わらないとの事ですが、少なくとも20%が変わるのであれば、まず基本構想そのものを変更・改定し、新たなビジョンを議会と市民に対して明確にされるべきではないでしょうか。計画の前提となる最上位方針を変えずに、基本計画だけを先行させるというのは、プロセスとして極めて不透明であると思慮いたします。

 

また、質疑を通じて執行部から示されたのは、「基本構想を改定する考えはない」「議会の議決ではなく合意という形で進める」という事でありました。

 

二元代表制の下、議会は市民を代表して行政の意思決定に明確な責任を持つ機関です。「合意」という曖昧な形ではなく、議決という明確な意思決定のプロセスを経るべきではないでしょうか?。

 

「何を目指すか」を示す基本構想では、複数比較検討し、一案にする策定段階であり、一案に絞り込んだ基本計画の策定段階とは、予算を明確に分け、それぞれ議会が議決する機会を持つべきであると、私たち会派は強く考えます。「急がば回れ」という「ことわざ」がありますように、一見時間を要しますが「議決」といった議会の意志を明確に示す機会を、基本計画が策定されるまでの間に組み込む予算計上の仕方が望ましく、このプロセスの透明化こそが、情報公開・説明責任を果たし、議会と執行部が共に責任を共有すると考えるからです。

 

もう一点、費用縮減の検証についてであります。今回の資料において「費用縮減の観点から検証する」との注記があります。建設資材の高騰、人件費の上昇が続く中、財政規律を意識することは当然のことであり、その姿勢自体には異論はありません。

 

しかし、費用縮減の観点のみに固執することは危険ではと思慮します。新庁舎整備は、単なる「ハコモノの更新」ではありません。松戸駅周辺のまちづくりにおける市役所の機能、市民の利便性、将来にわたるライフサイクルコスト全体、そして各施設との集約化による長期的な財政効果、これらを総合的に判断した上で計画案を絞り込まなければならないと考えます。

 

目先の建設コスト削減を優先するあまり、将来世代に不便を強い、長期的なコストが膨らむ計画になってしまっては本末転倒です。費用縮減の検証は、短期的な建設費のみを見るのではなく、長期的・総合的な視点から行うことを強く求めたいと要望いたします。

 

最後に会派として、改めて執行部に対し以下を要望させて頂きます。

 

第一に、基本計画の策定にあたっては、基本構想との整合性について議会・市民に丁寧な説明を尽くしてください。

 

第二に、費用縮減の検証結果は、基本設計予算計上(令和103月当初予算を想定)の前に、議会に対して具体的かつ明確に示してください。

 

第三に、ライフサイクルコスト・集約化効果・まちづくりへの寄与・市民利便性等を包括した総合評価に基づき、計画案を絞り込んでください。

 

 

松戸市の将来を担う新庁舎整備は、私たちの判断が問われる極めて重大な事業です。拙速を避けつつも、老朽化対応の緊急性を踏まえ、一日も早い着工に向けて確実に歩みを進めていただくことを要望し、忸怩たる思いではありますが、賛成の討論といたします。