【質問】
平成30年10月に厚生労働省が設置した「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」のとりまとめによれば、団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年を展望すると、「高齢者の人口の伸びは落ち着き、現役世代(担い手)が急減するため、『総就業者数の増加』」を課題としてとらえており、「現役世代の人口の急減という新たな局面に対応した政策課題」として1つ目に「多様な就労・社会参加の環境整備」、2つ目に「健康寿命の延伸」が挙げられています。
これを受け、令和3年に高年齢者雇用安定法が改正され、65歳までの雇用が企業の義務、「70歳までの就業機会の確保」が企業の努力義務とされたところです。「健康寿命・平均余命について」は、昨年12月議会にて、定年後の働き方として質問・要望をさせていただきましたので、今回は「70歳までの就業機会の確保」に関して質問をいたします。
定年後も就労している方のほうが、健康で長生きをされているとのデータがいくつもあり、医療費の抑制につながる上に働き手が増えることは税収の増加が期待されます。「70歳までの就業機会の確保」は、一義的には企業努力に寄るところになりますが、行政としてできることもあると思います。
そこで、行政として高齢者全般の就労支援について、本市の考えと取り組みを伺います。

【答弁】
高齢者が定年退職後も様々な形で就労を続けることは、議員ご指摘のとおり、介護予防の効果が期待でき、健康寿命の延伸にもつながることから、本市としても、希望する方が働き続けることができる環境整備が大変重要と認識しております。
現在、本市では、シルバー人材センターを活用した就労支援はもとより、ハローワークなど関係機関と連携した高齢者への就労支援セミナーを開催するなど、多様な就労ニーズに合わせた支援に努めているところでございます。
一例といたしまして、セカンドキャリアを見通した退職前後のシニア世代を対象に、再就職活動のノウハウを学ぶための、1級キャリアコンサルティング技能士による講義と、複数の業種の企業による説明会を行う「再雇用促進セミナー」を8月23日に開催いたしました。
本セミナーでは、募集人数を超える参加者があり、中長期での就労を求める参加者からは「再就職でも長く働きたいので、就職活動の目標が明確になった」等、概ね好評なお声をいただいたところでございます。
他方、病気治療と両立したい等、スポット的な就労を希望する方も一定数おられ、働き方の希望も多様化している実態を、より強く感じているところでございます。
今後、団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年を見通す中で、高齢者が健康で生きがいや役割を持って活躍できる生涯現役社会の実現に向けて、ハローワークなどの関係機関と連携しながら、高齢者の多様な働き方に対応した就労支援に努めてまいりたいと存じます。
【要望】
働く人がいきいきと輝いて見える光景は、未来を担う子どもたちにも、将来に夢を持てる何よりの環境ではないかと思います。
本市は東京に隣接し、アクセスが良いといった利便性の良さが魅力の一つになっています。
都内など市外で働くことも、市外から働きに来ていただくことも、どちらも税収の増加につながるだけでなく、消費などの経済効果も期待できます。
「70歳までの就業機会の確保」についてですが、スポーツを通した健康づくりや、健康診断の受診率向上など、本市の健康促進に向けた様々な取り組みが、「元気に働き続けられるまち」として結実され、社会保障制度の維持につながることを期待いたします。何人の現役世代で高齢者一人を支えるかといった、この分母を増やしていくことは、子育てや介護など人生の場面場面において注力しなければならない時期を抱える現役世代の負担軽減にもつながることから、関係部局と連携を図りながら、全市を挙げて70歳までの就業機会の提供を推進していただきたくことを切に要望いたしまして私の一般質問を終わります。